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x軸との面積 — 符号と絶対値、区間分割の必要性


定積分と面積の違い

定積分 \( \int_a^b f(x)\,dx \) は \( f(x) \) が \( x \) 軸の下(\( f(x) < 0 \))にある区間では負の値を返します。「面積」は常に 0 以上の量ですから、\( f(x) \) が \( x \) 軸をまたぐ場合、単純に定積分を計算しても面積にはなりません。

具体例で確認: \( \int_{-1}^{2}(x^2 - 1)\,dx \) を計算すると

$$ \int_{-1}^{2}(x^2-1)\,dx = \left[\frac{x^3}{3} - x\right]_{-1}^{2} = \left(\frac{8}{3}-2\right) - \left(-\frac{1}{3}+1\right) = \frac{2}{3} - \frac{2}{3} = 0 $$

しかしグラフを見ると、\( y = x^2 - 1 \) は \( x \) 軸と \( x = \pm 1 \) で交わり、\( -1 \leq x \leq 1 \) では \( x \) 軸の下にあります。面積がゼロのはずはなく、この \( 0 \) は「正の面積と負の面積が打ち消し合った結果」です。


面積の求め方 — 4 ステップ

Step 1: \( f(x) = 0 \) を解いて \( x \) 軸との交点を求める。

Step 2: 各区間で \( f(x) \) の符号を確認する。

Step 3: 各区間の定積分を計算し、\( f(x) < 0 \) の区間では絶対値を取る(符号を反転)。

Step 4: 各区間の結果を合算する。


計算例: \( y = x^2 - 1 \) と \( x \) 軸の間の面積(\( -1 \leq x \leq 2 \))

Step 1: 交点を求める。

$$ x^2 - 1 = 0 \implies x = \pm 1 $$

Step 2: 符号の確認。

Step 3: 各区間を計算する。

\( -1 \leq x \leq 1 \) での定積分:

$$ \int_{-1}^{1}(x^2-1)\,dx = \left[\frac{x^3}{3}-x\right]_{-1}^{1} = \left(\frac{1}{3}-1\right)-\left(-\frac{1}{3}+1\right) = -\frac{2}{3} - \frac{2}{3} = -\frac{4}{3} $$
\( f < 0 \) なので絶対値: \( \left -\frac{4}{3}\right = \frac{4}{3} \)

\( 1 \leq x \leq 2 \) での定積分:

$$ \int_{1}^{2}(x^2-1)\,dx = \left[\frac{x^3}{3}-x\right]_{1}^{2} = \left(\frac{8}{3}-2\right)-\left(\frac{1}{3}-1\right) = \frac{2}{3}-\left(-\frac{2}{3}\right) = \frac{4}{3} $$

\( f \geq 0 \) なのでそのまま: \( \frac{4}{3} \)

Step 4: 合算する。

$$ S = \frac{4}{3} + \frac{4}{3} = \frac{8}{3} $$

答え: \( S = \frac{8}{3} \)

区間分割なしで計算した \( 0 \) とは大きく異なります。これが区間分割が必須である理由です。


絶対値記法による一般式

$$ S = \int_a^b |f(x)|\,dx $$

これが面積の正確な定義です。\( f(x) \) の符号が途中で変わらない区間では絶対値を外して直接積分でき、符号が変わる点(\( x \) 軸との交点)で区間を分割してから各区間を計算・合算します。


f(x) が 0 以上の場合(左)/ f(x) が負になる区間分割の場合(右)


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