成分と演算 / → 成分による演算


成分表示と大きさ — 図を計算に変換する


動機: 「矢印を数のペアに変換する」

矢印(ベクトル)を計算で扱うには、数値で表す必要があります。x 軸方向の移動量と y 軸方向の移動量に分解することで、矢印を \( (a_1, a_2) \) という数のペアで表せます。


成分表示 — 座標軸への射影

ベクトル \( \vec{a} \) の x 成分・y 成分は「矢印を各座標軸に射影した長さ」です。

成分分解の座標図(左)/ 大きさとピタゴラスの定理(右)

\( \overrightarrow{AB} \) の成分は「終点の座標 − 始点の座標」:

$$ \overrightarrow{AB} = (B_x - A_x,\ B_y - A_y) $$

大きさ — ピタゴラスの定理から

x 成分と y 成分を 2 辺とする直角三角形の斜辺が矢印の長さです:

$$ |\vec{a}| = \sqrt{a_1^2 + a_2^2} $$

これは「天下り」の公式ではなく、ピタゴラスの定理の直接の応用です。


成分が同じ \( \Leftrightarrow \) ベクトルが等しい

\( \vec{a} = (a_1, a_2) \) と \( \vec{b} = (b_1, b_2) \) が等しい \( \Leftrightarrow \) \( a_1 = b_1 \) かつ \( a_2 = b_2 \)

x 方向と y 方向が独立しているため、成分ごとに等式を立てられます。


単位ベクトル — 大きさ 1 のベクトル

\( \vec{a} \) と同じ向きで大きさが 1 のベクトルを単位ベクトルといいます:

$$ \frac{\vec{a}}{|\vec{a}|} $$

大きさの確認:

$$ \left|\frac{\vec{a}}{|\vec{a}|}\right| = \frac{|\vec{a}|}{|\vec{a}|} = 1 $$

計算例

例 1: AB の成分と大きさ

A(1, 3), B(4, 7) のとき:

$$ \overrightarrow{AB} = (4-1,\ 7-3) = (3,\ 4) $$
$$ |\overrightarrow{AB}| = \sqrt{3^2+4^2} = \sqrt{9+16} = \sqrt{25} = 5 $$

(3-4-5 の直角三角形)

例 2: 方程式から成分を求める

\( \vec{a} = (2, -1) \), \( 2\vec{a} - 3\vec{b} = (1, 5) \) のとき \( \vec{b} \) を求めよ。

$$ 3\vec{b} = 2\vec{a} - (1,5) = (4,-2) - (1,5) = (3,\ -7) $$
$$ \vec{b} = \left(1,\ -\frac{7}{3}\right) $$

例 3: \( \vec{a} = (3, 4) \) の単位ベクトル

$$ |\vec{a}| = \sqrt{9+16} = 5 $$
$$ \frac{\vec{a}}{|\vec{a}|} = \frac{1}{5}(3,4) = \left(\frac{3}{5},\ \frac{4}{5}\right) $$

確認: \( \left(\frac{3}{5}\right)^2 + \left(\frac{4}{5}\right)^2 = \frac{9+16}{25} = 1 \) ✓


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